信長軍の司令官―部将たちの出世競争
新幹線の中で読もうか,となんとなく手に取ってみた本.amazonのレビューによるとこんな感じの本だ.かなりマニアックな香りがする.
武田・上杉・本願寺・毛利などの強敵と領土を接した織田信長は、一万を超える大軍団を柴田勝家・明智光秀・羽柴秀吉・滝川一益らに預け、四方の平定に当たらせた。この「方面軍」司令官こそ、信長麾下の武将たちにとって究極の地位であった。尾張一国から畿内平定、天下統一へと驀進する信長軍にあって、彼らはどのように出世を遂げたのか。時代を追い、並み居る名将たちの顔ぶれと与えられた権限、具体的な活躍をたどる。
内容は淡々と軍の組織の変遷について書かれていて,姉川とか長篠とか本能寺とかの有名どころは,ばっさり省略されているので,それなりの前知識は必須となっている.もともと戦国史の研究をしている人が著者なだけあって,ちゃんと第一級の資料に基づいて書かれているようだ.研究者の視点で,記述の確からしさにかなり注意を払って書かれているようなので,歴史小説を読んでわかった気になっている素人にとっては,なんとなく本物に触れたような気がする.
当時の君主と部下の関係だとか,権限の移譲の度合いだとか,信長の人材の抜擢のポリシーなどは,しっかり書かれていて,組織論,というか,部下の働かせ方の基本ってのは,今も昔もあんまり変らんなぁ,と思う.
- 作者: 谷口克広
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2005/01/01
- メディア: 新書
- 購入: 2人 クリック: 5回
- この商品を含むブログ (28件) を見る