信長軍の司令官―部将たちの出世競争

新幹線の中で読もうか,となんとなく手に取ってみた本.amazonのレビューによるとこんな感じの本だ.かなりマニアックな香りがする.

武田・上杉・本願寺・毛利などの強敵と領土を接した織田信長は、一万を超える大軍団を柴田勝家明智光秀羽柴秀吉滝川一益らに預け、四方の平定に当たらせた。この「方面軍」司令官こそ、信長麾下の武将たちにとって究極の地位であった。尾張一国から畿内平定、天下統一へと驀進する信長軍にあって、彼らはどのように出世を遂げたのか。時代を追い、並み居る名将たちの顔ぶれと与えられた権限、具体的な活躍をたどる。

内容は淡々と軍の組織の変遷について書かれていて,姉川とか長篠とか本能寺とかの有名どころは,ばっさり省略されているので,それなりの前知識は必須となっている.もともと戦国史の研究をしている人が著者なだけあって,ちゃんと第一級の資料に基づいて書かれているようだ.研究者の視点で,記述の確からしさにかなり注意を払って書かれているようなので,歴史小説を読んでわかった気になっている素人にとっては,なんとなく本物に触れたような気がする.

当時の君主と部下の関係だとか,権限の移譲の度合いだとか,信長の人材の抜擢のポリシーなどは,しっかり書かれていて,組織論,というか,部下の働かせ方の基本ってのは,今も昔もあんまり変らんなぁ,と思う.

信長軍の司令官―部将たちの出世競争 (中公新書)

信長軍の司令官―部将たちの出世競争 (中公新書)