[Book] 闘うプログラマー

マイクロソフトにおけるWindows NT開発の苦闘を記したドキュメンタリー.ちょっと古い話だが,WindowsXPカーネルもNTがルーツだし,以前として興味深い本だろう.

とにかく,若い企業ならではの猛烈な働きっぷりがすごい.NT開発チームのリーダーであるカトラーの強烈な性格もすごい.ああいう強烈なリーダーシップだからこそ,これだけの開発を引っ張れたのだろうか.チームが先の見えない開発に突き進んでいく中で先頭に立つ,ということのプレッシャーに耐える意思の強さは,驚嘆に値する.しかし,過酷な開発の過程で,部下である開発メンバのプライベートがどんどん荒廃していくのだが,これをほとんど気にしないカトラーの性格は,自分の上司としては,ちょっと勘弁してもらいたい.

ところで,数年前からエクストリームプログラミングとか,アジャイルなソフトウェア開発なんて開発手法が流行っているようだが,WindowsNTのような重厚長大なプロジェクトにも適用できるんだろうか?もちろん部分的には適用できるんだろうけど,プロジェクト管理の骨組みとして使うには,まだ心もとないような気がする.