BSD vs Linux 第2幕

先日(id:hcr:20050613,BSDLinuxの比較について,Linusに聞いた記事を紹介しましたが,今度は「NewsForge | BSD cognoscenti on Linux」という記事でBSD陣営にインタビューしています.BSD陣営では,OpenBSDのTheo de Raadtと,NetBSDのChristos Zoulasに質問しています.(Theoはなかなか強烈なキャラクターの持ち主で,それがよくあらわれているOpenBSDの創設時のエピソードが「OpenBSD advocacy page」にあります)

インタビュー内容の超要約は,こんな感じです.

  • LinuxBSDはなにが違う?
    • Theo: カーネルだけのLinuxに比べ,OpenBSDは,ライブラリ,ドライバなどを含むシステム全体を提供している(Linuxではディストリビューションが相当)ため,より柔軟で,速やかに,かつ整合性を維持しつつ,機能を追加することができます.
    • Christos: NetBSDは,コードが古く,枯れているため,より安定しています.NetBSDはプラットフォームが異なっても同じAPIを維持していますが,Linuxはそうではありません.
  • BSDLinuxより,よい点は?
    • なんと,TheoはLinuxを走らせたことがないらしい.なので,「知らない」とのこと.
    • Christos: NetBSDLinuxよりはだいぶシンプルであり,クロスコンパイルも可能でです.システムプログラマには,NetBSDが適していますが,一般ユーザにはLinuxがよいと思います.Linuxは,2.6になってずいぶん良くなっているので,どちらがいいとは判断が難しいです.ベンチマークがそれに答えてくれるでしょう.
  • LinuxBSDで相互にコードの流通はないのでしょうか?
    • Theo: 私たちのコードは自由に使えますが,Linuxの人々はそれを利用しようとはしていないようです.また,私たちのコードにGPLのコードを入れることはありません.
    • Chiristos: Kernel APIが異なるため,Linuxの機能を再利用するよりはスクラッチで書いたほうが速いです.また,GPLのコードは利用できません.

どうやら,BSDLinuxの壁は,思っていたより,厚いようです.特に技術論よりライセンスが最大の問題となっているようですね.