Interview: Looking at FreeBSD 6 and Beyond

OSNewsに掲載されていたFreeBSD 6への展望のインタビューです.John Baldwin, Robert Watson, Scott Longの3人へのインタビューとなっています.超訳&サマリは,こんな感じです.

  • Hyper Threading脆弱性(id:hcr:20050524参照)についての話.FreeBSDでは対応を検討しているようで,例えば,同じCPU上では,同じユーザIDのプロセスしか動作させないなどの案があるそうです.
  • TrustedBSDについて.TrustedBSDは,機能的には,SE-Linux + ACL(Access Control Lists: ファイルシステムのアクセス権の粒度を細かくする) + MAC frameworkというところのようです.主要な機能は,5.xでも入っていますが,6.xでは,それが実用レベルの品質になる,ということのようです.(このあたりの技術は,SE-Linuxを筆頭に,CAPPとかOpenBSMとか,SunのBSM, NSAのFLASKなど,いろいろ百花繚乱のようで,個々の特徴がよくわからないので,まとめページがほしいところです.)
  • FreeBSD 6.0の新機能は? ... 無線LANのWPAセキュリティを初めとする細かいハードウェア機能のサポート.先日コメントを受けたreiserfsも含まれているようです.
  • FreeBSDの人気について.継続的に拡大しています.FreeBSDは約30年にもなる長いプロジェクトですが,現在も開発者数は成長しているようです.
  • オープンソースのデスクトップ環境は,Mac OS XWindowsのような環境に比べて劣っていると言われていますが,どう考えますか? オープンソースの開発者は,彼らが必要とするものを作り,それは一般のエンドユーザが必要とするものとは異なることが多いようです.しかし,OpenOffice.orgの貢献や,KDE, Gnomeの発展などによって前進しています.
  • UFSのジャーナル拡張は? ... UFSのジャーナル拡張は,Google Summer of Codeの候補プロジェクトですが,規定期間での完成は難しいと思います.FreeBSD7.0か,6.xの後半には安定してほしいと願っています.
  • FreeBSDで収入を得ていますか? ... John Baldwin: FreeBSDの仕事で収入を得ており,FreeBSDが,ほぼフルタイムの仕事となっています.Robert Watson: FreeBSDは,あまり収入とは関係ないそうです.ただ,ドットコムバブルの崩壊のころと比べると,周りの状況は,ずいぶん良くなっているようです.
  • PC-BSDOpenSolaris, はてまたNetBSDOpenBSDはどうですか? ... OpenSolarisのコードを見ることができるのは,興味深いです.オープンソースコミュニティは,クローズドソースとは違い,互いに協力することができます.競合し,協力しあうプロジェクトの存在を生かしていくべきです.(でも,それほどは,NetBSDOpenBSDのコードについては,知らないようです.)

インターネット上のサーバで長いuptimeを誇るのは,大抵BSD系のサーバなので,やはりBSDの動向は気になります.以前はSMPの性能があまりよくないというのが気にかかっていたのですが,最近はずいぶんと改善されているようなので,要チェックというところでしょうか.